今回2回目となる多治見ビジネスプランコンテスト、略してタジコンの締切が迫っています。
「多治見の魅力を引き出した新しいアイデアで未来へ繋ごう!」とのキャッチフレーズのもと、多治見のまちなかを活性化し、市全体がもっと元気になることを目指して、出店や創業へのチャレンジを募集しています。
なんとなく、穴場となりそうな予感・・・。
昨年の受賞者の顔ぶれ
- まちなかグランプリ(賞金300万円)・・・「新町ビルプロジェクト」~陶磁器産業と地域の未来に向けて、新たな「観光資源」を創出する~
- 創業グランプリ(賞金200万円)・・・モザイクタイルを使用したボードゲーム「モザイク」による地域活性化の推進
- 特別賞(賞金100万円)・・・「地域電力」と「多治見の若者」によるバッテリーシェアリング事業
- 奨励賞(賞金50万円)・・・21世紀の多治見を輝かせるインバウンド観光ビジネスプラン
タジコン たじみビジネスプランコンテスト2018 | TAJICONグランプリ決定! 素敵なプランで、多治見を盛り上げる。多治見の魅力を引き出した新しいアイデアで未来へ繋ごう!あなたの描く起業・創業プ
傾向と対策
昨年の受賞者を拝見すると、ただ単に新しいビジネスアイデア自体が評価される、というのではなく、「陶磁器産業」や「商店街の活性化」が副題としてあって、どれだけその産業や地域に波及するか、というところが問われているようです。
また、全く走り出していない人よりも、既に動き始めている人を評価されているようです。まぁ当然そうなるでしょうが・・・。
私の考えるビジネスプラン
せっかくなので、自分だったらどう考えるか、ない頭を捻ってみました。
なお、私としては陶磁器の利活用や商店街の新しいビジネスは全く思いつきませんでしたので、「バラマキ作戦」です。したがって、ビジネスとしては成り立たないことをよくご理解ください。
1 ビジネスプランについて
(1) プランタイトル
「作陶メイカーズ」
(2) 商品・サービス・価格
1万円/人の商品券をばらまき、特定の日に市内の公・民間の作陶施設で作陶をしてもらいます。
後日、焼き上がった自分の陶器を、今度は商店街または近郊の空き店舗や空き家で展示する、というもの。
展覧会は1日から1週間とし、それも作陶した人が一斉に行います。
1万円の内訳は、作陶施設に4000円、展覧会場に5000円、お食事に1000円くらいとし、市内の決められた施設でしか使用できないものとします。
(3) 事業の目的
作陶ファンの育成および作陶文化の醸成・「多治見」といえば「作陶」の地盤づくり
公益財団法人日本生産性本部「レジャー白書2017」によれば、2016年における陶芸を趣味とする人の数は140万人存在します(BS朝日によれば2016年時点での陶芸人口は200万人以上)。
同白書によると、陶芸を行う人たちの年間平均活動回数は12.3回であり、1回あたりに使う費用は平均1,580円とされていて、陶芸教室の市場規模は約272億円程度と推測されています。
この市場のなかでの地位を獲得すべく、作陶体験をしていだたきます。
また「イケア効果」という言葉もあるように、自分で作ったものには愛着が湧くものです。
自分で作ったものを家族や友人に見てほしい、という感情も現れるので、展覧会を開くことで個人だけでなく、知り合いも誘って、多治見を訪れて、食事や観光に行っていただけるのではないか、と期待します。
(4) その考えに至った経緯、背景
クリス・アンダーソンの名著『MAKERS』では、メイカームーブメントの特徴の一つとして、モノをデザインし試作すること、それらのデザインをオンラインのコミュニティで当たり前に共有し仲間と協力することがあり、これがリアルな「作陶」にも当てはまるのでは、と考えるに至りました。
「メイカーズフェア」やハンドメイドの展示会に行くと、作った人は皆目を輝かせています。ものづくりとは、こんなにも人を夢中にさせるものか、と驚きました。
また、先日ロイターの動画で、ニューヨークでは都会の雑踏やテクノロジーから離れて無心で没頭できる陶芸が流行っている、とのニュースを見ました。
陶芸がZEN禅やヨガなどの思想とも関連付けられていました。
(5)事業計画
現状把握
現状、作陶施設は、公立のものと、民間のものが市内に点在しています。
多治見市以外にも、土岐市や瑞浪市、その他瀬戸市など全国に点在しています。
多治見市は美濃焼の産地として有名であり、陶磁器業者も多数ありますから、地域資源としては十分です。
市場分析
陶芸市場が一定の規模あることは(3)のとおりです。
実現可能性
このイベントをどれだけの規模でやったらいいかは未知数です。
まずはグランプリの賞金額と考え、300人と仮定し300万必要と試算しました。
この額なら、市としても捻出できる額かと思います。
「最初は小さく」がビジネスの基本と思い、300人としましたが、好評なら次はもっと大きく、となっていくべきかと考えます。
経済・社会への貢献性
作陶施設や飲食店には利用者がお金を落とすことで貢献できます。
作陶をすることで、美濃焼など既製品を買わなくなるかも、との指摘がありそうですが、既製品の技術の高さなどを再発見したり本職の陶芸家の作品にも興味を持ってもらえ、陶器も購入していただけるのではないか、と思います。
空き店舗や空き家の所有者にとっては、臨時収入となりますし、これを機に固定資産の活用を考えるチャンスともなりえます。
販売方法
ホントは広告やテレビ、作陶雑誌に掲載したいところですが、そこにお金は割けません。
SNSや広報から新聞などのメディアに無料で掲載してもらうなどの方法が考えられます。無料で作陶雑誌に掲載してくれるところがあれば、それも。
※競合する商品・サービスの状況と、それに対する優位性 (新規性・独自性)
陶器の産地や作陶施設は全国にあります。
しかしながら、全額出資しかつ展覧会までしてくれるところは他にありません。
「作陶」ならココ、という場所は今のところありません。
ハンドメイドフェアやメイカーズフェアと競合の余地もありえますが、作陶に限定しており、実際に作ることと1セットという点、多治見という焼物の産地で行う点に独自性があるものと考えます。
(6)課題
「ばらまき」との指摘は、まさにそのとおりでございます。
一過性のイベントにならないように、作陶施設としては定額制の陶芸教室などのプラン提示が必要になります。
(8)その他
あくまで頭の体操であり、ビジネスとしては成り立たないことをよくご理解ください。
もしどこかの陶器の産地で、このアイデアをお使いいただけるのなら、どうぞお使いください。
なお、実現するには、陶器組合・作陶施設・商店街・市役所職員の皆様、すべての人々が同じ熱意で参加しないと成り立ちません。
参照
「作陶」の検索結果